サンゴ礁の危機
現在、世界のサンゴ礁の大部分が絶滅の危機にさらされています。 琉球大学の研究によると、このままでは50年後には絶滅してしまう、20年後には、少なくとも今と同じ景観を見ることはできないといわれています。その最も大きな原因は、海水温の上昇による白化現象です。近年は世界的な異常気象により、これまで夏に来ていた台風が秋にずれることが多くなりました。台風は海の水をかき混ぜ、高くなりすぎた海水温を下げる役割も果たしています。しかし、台風が秋にずれることで海水温が高い状況が続き、サンゴが白化してしまうことが大きな問題になっています。八重山では2016年の12月の大規模白化により死亡率は70.1%、2017年の西表石垣国立公園の石西礁湖海域で実施したサンゴ白化状況の本年度最終調査で、平均白化率が49.9%となり、前回調査(6月)時点で生存していた健全なサンゴの割合80.3%が50.1%に減少していることが分かりました。(環境省那覇自然環境事務所発表) 現在、白化に強いサンゴの研究も続けられており、その成果が待たれるところです。
「海のゆりかご」
サンゴ礁は海洋面積全体の0.2%以下に過ぎないにも関わらず、海の生物種の約4分の1以上が生息しています。
サンゴ礁は幼魚や他の生物の居住空間や産卵場所として、海の生態系の基礎を担っているといっても過言ではありません。
「自然の防波堤」
サンゴ礁は台風の時などの高波を弱める役割をしたり、サンゴの骨格などが砂となり豊かな砂浜を作り、海岸を守っています。
健全なサンゴ礁は風によって生じた波の力を海岸線に到達する前に7~9割吸収してくれるという概算もあります。
「豊かな漁場」
多くの動植物が棲むサンゴ礁は、豊かな水産資源を提供してくれます。
アジアだけでも10億人分に相当する食料資源を提供しており、世界的には魚の漁獲高の10%がサンゴ礁由来といわれています。
「美しい景観」
サンゴ礁が育つ海は美しく、その光景は多くの人を惹きつけます。
観光客やダイバー等、多くの方が訪れる観光資源としても重要な役割を果たしています。
「海の浄化」
サンゴ礁に生息している二枚貝やナマコの仲間は砂の中の微生物を栄養として吸収し、海の浄化作用に役立っています。